2013年06月21日

近代日本の官僚 - 維新官僚から学歴エリートへ

2013年6月1日付・東大生協書籍部門売上8位の本です。

慶應義塾大学総合政策学部の准教授であり、日本における官僚、官僚制度の歴史的展開などを研究されている清水 唯一朗(しみず ゆういちろう)さんが書かれた本です。

明治維新後、新政府の急務は近代国家を支える官僚の確保・育成でした。

当初は旧幕臣、藩閥出身者が集められましたが、高等教育確立後、全国の有能な人材が集まり、官僚は「立身出世」の一つの到達点となりました。

この本では、官僚の誕生から学歴エリートたちが次官に上り詰める時代まで、官僚の人材・役割・実態を明らかにしています。

ひと昔まえまでは、東大を出て官僚になるのがエリートコースといわれていましたが、最近は外資系企業に入ったり、自分で会社を起こす東大生も増えてきているそうです。

現役の東大生がこの本を読んでどんな感想を持つのか、聞いてみたい気がします。


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2013年06月13日

教養の力

2013年5月1日付・東大生協書籍部門売上2位の本です。

東京大学教育学部教授で、専門の英学史・英語教育の他、英文学の翻訳も数多く手がけている、斎藤兆史(さいとう よしふみ)さんが書かれた本です。

一九九〇年代、日本の大学から「教養」の名を冠した学部が次々に姿を消しました。

それに呼応する形で専門知・実用知の優位性がうったえられ、いまや「教養」はかつてのエリート達による懐古趣味のような存在になってしまっています。

しかし、本来の教養は、行き過ぎた専門知の追究に対し、物事を多角的にとらえる視点を与えるものでもあったはずです。

この本では、そうした意義に加え、人格的な豊かさを体現するためにも不可欠な教養の意味を問い直し、今の時代にも活きる新しい形を提示しています。

とくに今年の4月に東大に入学した方にとっては、一読の価値がある本だと思います。

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(なお、5月1日付で1位の本は、以前紹介した「知の逆転」です。)
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2013年06月08日

憲法の創造力

2013年5月1日付・東大生協書籍部門売上3位の本です。

憲法学者である、木村草太(きむら そうた)さんが書かれた本です。

この本では、

良い国家や社会を創るために、良い憲法を創ることとは、新憲法を制定したり改憲することではなく、

憲法の原理を理解した上で、想像力を駆使して我々の「頭の中」に理想のルールを創造することであると書かれています。

それでは、その理想のルールを創造することはどうすれば可能なのか。

君が代斉唱、一票の格差問題など、最新の判例に現れた憲法問題を題材にして、先端的な憲法学の成果を踏まえながら考察されています。

今年の夏の参議院選挙では改憲(とくに憲法第96条)が1つの争点となると思いますが、選挙の前に読んでおくべき一冊だと思います。

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2013年06月04日

戦争の条件

2013年5月1日付・東大生協書籍部門売上4位の本です。

東京大学大学院法学政治学研究科教授(専門は、国際政治・東南アジア政治)である、藤原帰一(ふじわら きいち)さんが書かれた本です。

アラブの春を皮切りに、中東情勢の先行きがますます混迷の度合いを深める一方で、尖閣諸島や竹島、北朝鮮の核開発などをめぐって、日本を含めた東アジアでもかつてない軍事的緊張が高まっています。

「戦争はあってはならない」と考える人は多いですが、そのいっぽうで、信頼できない外国政府の行動を押さえ込むために軍隊が必要だと考える人も多いです。

この本は、戦争の条件を考え抜くことで、逆説的に平和の条件にいたる道を模索した、もっともリアルで読みやすい、国際政治学の入門書とされています。

ただし、この本には「正しい答え」は書かれていません。

その理由は、国際政治状況のなかには、どう考えればいいのか、何を選んだらいいのか、「あたりまえ」で「正しい」選択が見えなくなったとき、「より正しい答え」を探す苦しい作業が必要だからです。
 
著者は「私の目的は、答えが見つからない焦燥感のなかに読者の皆さんを置くことである。」と書いており、読者にもこの本を読んで、大いに悩んでほしいそうです。

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